同じ曲を何度も繰り返し聴くことはありませんか?私は、しばしばあります。以前、友人の結婚披露宴の選曲を頼まれた時に、好きな曲が失恋ソングばかりで愕然としたことをコラムで書きましたが、ここ最近私の心を捉えた「Tonight You Belong to Me」も、まごうことなき失恋ソングだったのです。(断りを入れておくと、失恋したわけでも恋多き女でもありません)
「Tonight You Belong to Me/邦題:イチゴの片思い」はアメリカのポップスのスタンダードナンバー。1926年にアーヴィング・カウフマンが歌い、その後さまざまなアーティストがカバーをしています。私のお気に入りは、姉妹デュオのペイシェンス&プルーデンスのカバー。そして、3匹のシマリスが歌う、アルビンとチップマンクスのカバーです。
ペイシェンス&プルーデンスの「イチゴの片思い」は、1956年のデビュー・ヒットで、姉妹は当時14歳と11歳。ピュアで可愛らしい歌声にキュンとします。アルビンとチップマンクスの「イチゴの片思い」は1961~1962年に放送されたアニメシリーズのサウンドトラックに収録されているもの。シマリスと子どもたちが歌います。どちらもカバーもアイ、ノウ~~♪(アイ、ノウ~~♪)と掛け合いのコーラスが楽しい。しかし、歌詞は“恋人の気持ちは、もう他の誰かのものだと分かっているけれど、今夜は私のもの”という切ないもの。心が離れてしまう寂しさやしんどさは、恋愛以外にも友人や職場、いろんな場面で遭遇してきました。だからこそ、心が離れてしまっているけれど今夜は一緒にいる、という歌詞に一層のやるせなさを感じます。友達だったら慰めに掛けつけたいくらい。ローティーンにはだいぶビターな歌詞の気もしますが、シュガーコーティングされたポップさが、なんとも言えない魅力を放っているのです。ペイシェンスとプルーデンスの姉妹はどんな気持ちで歌ったのか?とつい考えてしまいます。
そういえば小学生の頃、朝の会で歌の時間があり、みんなで好きな曲(当時のヒット曲)を選んで歌っていましたが、それらの曲も改めて聴くと大人っぽい歌だな~とびっくりします。何も考えずに歌っていたけれど、先生もどんな気持ちだったんだろう…?