VERY GOOD CONTENTS
2022.10.04

わたしコラム|やりたいことリスト① パンを焼く

やりたいことリスト 

いきなりですが、私はパンを焼くのが好きです。
年初に、「やりたいことリスト」を思いつくままメモしていくのが私の中での恒例ですが、今年のリストの中に「パンを焼く」というのがありました。
目まぐるしい日々の中で、人それぞれ自分なりのストレス解消法はあるかと思いますが、私にとってのそれは「自分の時間を充実させる」ことです。ただ自分の好きなことをやる、これに尽きます。
しかし、器具や材料の準備、時間や片付けのハードルに心挫かれ、気づけば数年に一度、帰省のタイミングでしか焼かないようになり、このままではパンを焼くのが好き「だった」私になりかねない!との謎の焦りから、今年こそはと年初のリストに書き込んだのでした。

決意を固めると早いもので、分かりやすくまずは本を買い、この小麦粉が美味しく焼けるらしいと知れば製菓ショップに足を運んで国産小麦を買い、ドライイーストを吟味し、抜かりなく準備を進めていきます。
一通り準備ができ、今年3月某日に決行の日はやってきました。今回のレシピは一晩発酵のため焼き上がりは翌日。一瞬、明日にするか・・と思う気持ちを奮い立たせ、えいや、と材料を量っていきます。徐々に、そうだ捏ねてるとグルテンで急に重くなるんだよな・・と勘が戻ってくるのを感じながら、無事その日の行程を終え、生地を冷蔵庫へと寝かせます。
翌朝、なんだか楽しみで早く目が覚め、冷蔵庫に向かうとびっくりするほど膨らんだ生地が!

「パンを焼く」醍醐味のひとつは、少し手間暇のかかる捏ねや発酵の過程を乗り越えた者だけが辿り着ける、ふわっふわの生地。子どもの頃の粘土遊びではないですが、癒しの時間です。そしてなんと言っても時間が経つごとに部屋中に広がるパンが焼ける香ばしい香り。しかも食べると美味しいのだから一石三鳥です。少しばかり億劫だった作り始めの気持ちはどこへやら、充実感と達成感でいっぱいに。

今年早々にクリアしたやりたいことリストの一つは、レシピのアレンジが新たな目標となりましたが、このコラムを書いている今、今年もあと3か月かと慄きつつ、こうやってまた自分の機嫌を取る方法を見つけたことに、またひとつ年を重ねたことを実感するのでした。

Written by
FUMIKO TAIRA

WEB DESIGNER

前職では輸入玩具や公園の大型遊具を扱う専門商社で公園や遊び場づくりに携わる。 ひとつのプロジェクトを形にしていく中でプロダクトやサービスの価値や想いを届ける仕事に興味を持ち、WEBデザインの世界へ。好奇心旺盛で常に何かにハマっているが、特に音楽と旅と映画が好き。うどん県出身。