VERY GOOD CONTENTS
2022.11.08

わたしコラム|イロトリドリの世界〜サンフラワー[Sunflower]〜

 

C5 M28 Y100 K0 / R242 G183 B0

サンフラワーはその名の通り、向日葵の色。とはいえややこしいことにJIS規格にある269色には、微妙に色味がことなる「サンフラワー」と「向日葵色」が登録されています。サンフラワーの方が若干オレンジ寄り。CMYKが分かる方には、C(シアン)が少しだけ入っていて濁りがある色だとお分かりになるかもしれません。

この記事を書いているのは11月の上旬。ヒマワリは咲いていない時期ですが、この時期、河川敷ではこの色を目にすることができます。

写真はセイタカアワダチソウの花。日本の秋らしい黄色が、紅葉の時期を彩るうちの一色ではないでしょうか。そんな紅葉の構成員の一員であるこの植物は、ご存知の方も多いかもしれませんが、だいぶ厄介な外来種。種子だけでなく地下茎でも増えるうえに、ススキなどの他の植物の成長を阻害する物質を出し、仕舞いにはその名の通り、他の植物より高身長。その割に日本の景色に馴染みきって、なんというか、憎まれっ子世に憚るだな、と。

2mを超えるセイタカアワダチソウ。

黄色は基本的に注意色。しかしサンフラワーは少しオレンジ寄りで、注意色というよりは食欲を湧かせる色の一つ。飲食関連の広告にはものすごく多様される色です。

特に温かい方が美味しい食べ物との相性は抜群。冬に鍋をはじめとした湯気が出るものの広告には、ほぼ間違いなくこの色に近い色が使われているはずです。かく言う私も、食べ物関連のチラシやパンフレット、サイトなど、これまで数多く制作してきましたが、色の名前も知らぬまま、大変お世話になった色だと思います。

色の印象としては、明るさ、暖かさ、健やかさ、朗らかさ、豊かさ、充実感、開放感など、ポジティブさを感じられます。

印象だけで言えばロゴマークや広告物には最適なカラー。ただ残念なことに、白との相性が微妙。白地にこの色で文字を載せても、比較的読みにくいという欠点が。 この色の華やかさを感じてもらうには、デザイン屋さんのそれなりの工夫が必要な、ちょっとだけ扱いにくい一色です。

Written by
AKIRA KIKUCHI

DIRECTOR & DESIGNER

グラフィックデザイナーとして15年以上デザインに携わる。大手メーカーや官公庁をはじめ、カタログ、ポスター、ロゴ制作などグラフィカルなデザインを幅広く手がける。 近年はサイトデザインも手がけ、webデザインも対応。また、ディレクターとして、企画・提案から運営管理までのディレクションも担う。