企画を立てる、ごくふつうのやり方について。
PLANNING / DIRECTION
企画を立てる、ごくふつうのやり方について。
2017.10.19
POSTED BY FUMI TOBE
#コピーライター #ディレクター #コミュニケーション #ナレッジ #企画 #戦略

企画を立てるときって、皆さんはどうしていますか?

「あったかい」というトーンに持っていきたいとしたら、それに近いことを考えてみたり。と当社のKくん。確かに、そういうやり方もありますね。最近、入社したO嬢は、今回、一緒に仕事をして「どうしてそんなにいろいろな視点で考えられるのですか?」と質問してくれました。(まあ、そんな言われるほどできてないですケド)
で、せっかくなので、私流標準型の企画立案の方法について整理してみることにしました。

まずは、まっとうに、課題の整理をば!

まっとうすぎてつまらないかも。というお声を把握しつつも、念のため。クライアントの要望や課題は整理しておきます。まぁ、出来たら、お客様がおっしゃる課題そのままというよりは、その奥にありそうな課題くらいまでは整理して並べておく。そして、つまり「こう言う状態になればいいってことか」と頭の中にイメージを持っておきます。店舗だったら、すごく人が入っている図とか。採用だとしたら、お客様が欲しいと思っているような学生が面接に来て生き生きと答えている図とか。ここが言わば、ゴールイメージになるので、一応、頭の中でビジュアル化してみます。と、ここまでは整理、さぁ、ここからが企画の始まりです。

いろいろな視点で考える、ごく楽な方法。

まずは、企画を考える幅を広げていきましょう。誰でも思いつくような案を持っていくだけじゃつまらないし、お客様もがっかりさせてしまいそう。とはいえ、何もないところから湯水のように良い案なんて浮かばないよ、と思う人も多いですよね。まずは、視点の広げ方。実際、そのブランドに触れる人はどんな人になるのかをイメージしてみる。ちなみに、さっき、うちのO嬢に、「じゃあ、ドーナツ屋に来る人はどんな人?」と聞くと、「ドーナツが食べたい人。」と一言。なるほど、動機から入りましたか?では、「他の動機はないの?」と聞いてみると、「あっ、お茶を飲みたい人も」と出てきました。いい調子ですね。では、動機の軸でばーっと探してみると、手土産を買いたい人。休憩したい人。可愛い店員に会いたい人。競合に当たる人。家でパンなんかを作る人。と広がってきました。そこで、これらの人たちが、それぞれの立場で、そのドーナツ屋にどんな感想や要望を持つだろうかと上げていくと、結構、切り口が見えてくる。同じようにこれを、年齢や性別、どんな仕事をしている人という属性で分けていっても、また、多彩な要望や課題、潜在的な市場が見えてくるのかもしれません。そうして、見えてきた要望毎に、良さそうなアイデアを出していくだけでも、まずはアプローチの種類が増えるし、頭の体操になるので、良い思いつきを生む土俵になるのではないでしょうか?

ところで、自分はどう思っていたんだろ?

そして、案外と大事なことが2つ。一つは、誰でも思いつくベーシックな案をきっちりと整理しておくことです。王道だと思われる案は、一見、凡庸に見えても、課題解決法としては大きな可能性がありますし、確度が高いことも多い。しっかりと整理した後で、先ほどの手法から出てきたアイデアと掛け算したら、ぐっといい企画になる可能性もあります。なので、ここは面倒臭がらずに整理することを忘れない。もう一つは、「自分はどう思うか」をないがしろにしないことです。ちなみに、企画の最初の段階で、「自分の考え」に走りすぎると、自分可愛さのあまりに、バランスを欠いた企画になりがちですが、適当にどこかの段階で自分が感じたことを棚卸しておく。「やだなと思った。」「そこそこだけど、ピンとこなかった」。感想が出てきたら、そう感じた理由はなんだろう?と深追い。バクッとした言葉のまま放置しないで、因数分解してみましょう。「この部分にギャップを感じた」「おいしそうに見えないのは、パッケージがクールすぎるから?」とか。ここは、ぜひ誰かに話した時に、論理的に説明出来るくらいまでは落とし込んでおく。すると、そこからも、きっと企画の糸口が見えてくるはずです。

行ったり来たり、企画の旅は続く。

とまぁ、こんなような経緯で、企画の素材たちが揃ったら(というか、このプロセスでも、もうなかなか、面白そうな企画の種は生まれているはず)。そろそろ一度、課題に立ち戻って案として良さそうなもの、ベーシックな考え方として大切にすべきもの。まだ、未熟だけど磨けばよくなりそうなモノなどにより分けてみましょう。そして、プレゼンまでの安心のためには、ここらでざっくりと企画書をまとめつつ・・・。ほっと一息したら、よーし、もっと磨きたい案をブラッシュアップ。そうするときには、私は、もうあまり根を詰めすぎずに、いろいろな資料をぼんやりみたり街をぶらぶらしたりして、「なんとなく、考えてきたことに似たように見えること」をぼーっと探します。すると、なぜか、全く関係のないものが目に飛び込んできたりするのですが、それを、今考えているものに応用したらどうなるの?というゲームを頭の中で繰り広げたり。そのように、自分の頭の外にも刺激材料を無理矢理でもつくって、「もっといい企画」を考えてみる。というように、行きつ戻りつしながら、企画完成までの旅は続く。さぁ、皆さん、どうぞ企画の旅をお楽しみください。

Posted by
FUMI TOBE / CEO / CREATIVE DIRECTOR
代表取締役 クリエイティブディレクター/コピーライター 心理学科卒 91年 株式会社リクルート入社。ベンチャーから大手企業までの企業広告、ブランディングに関わる。2000年、クリエイティブディレクター/コピーライターとして独立。TCC会員。 【受賞歴】 東京コピーライターズクラブ新人賞/産業広告賞/福岡コピーライターズクラブ賞/東京コピーライターズクラブ ファイナリスト/BtoB広告賞金賞 など

RELATED POST

お問い合わせ

CONTACT

お仕事のご相談、弊社サービスに関するお問い合わせなど
下記リンク先お問い合わせ専用フォームよりお問い合わせください。

お問い合わせ
資料請求・お問い合わせはこちら
お問い合わせ