地域に特化したM&Aコンサルティング会社として設立されたユナテッド・フロント・パートナーズ様。若い経営者2名が20代後半で創業、間もなくIPOが射程範囲に入るほどの成長力を誇る企業様です。一方で、なかなか良い人材と巡り会えないことが経営課題になっていました。人材採用が成功しないと予定した事業拡大が滞ってしまうためです。
こうした課題を解決するべく、弊社カラビナで人材要件の深堀りと採用サイトの開発をサポートさせていただきました。今回のインタビューでは、採用サイト開発での成功ポイントとともに、その後の採用活動への影響などを伺うことができました。

サイト公開からまもなく応募も増加して
戸部:採用サイト公開によって、実際に採用活動に変化はありましたか?
飯塚:はい。色々と良い影響が出ています。実は、こんなに早く結果が出るとは思っていませんでして・・・。
戸部:嬉しい誤算ですね。もともと求人広告などを出しても、なかなか応募が少ないなどのお話があったので、少し意外な気もします。
飯塚:そうなんです。サイトがオープンして間も無く、直接応募が増え、1カ月で5件ほど応募がありました。
戸部:オープンは確か、11月後半でしたね。
飯塚:その直後の11月末にもすでに1件応募がありました。採用サイトからの直接応募も多いのですが、同時期にForbsやエージェントのサイトにも掲載、その影響もあるかもしれません。
戸部:求人媒体や認知度アップのための施策を打っても、やはり企業サイトや採用サイトで有益な情報が提供できないと応募に繋がらなかったり、応募者の質が低いなどの課題が出てしまいます。改めて採用サイトを用意したことで、メディア掲載への投資がかなり有効に活用できたということですね。
飯塚:そう思います。企業サイトはありましたが、あくまでお客さま向けの情報なので採用対象の方がみると業務の深いところまで把握できず、間違えた理解になりがちでした。採用対象者にターゲットを定めて情報整理したことが応募数の獲得につながっていると思います。
戸部:ちなみに人材エージェント経由の紹介などでも、採用サイトの効果は出ていますか?
飯塚:エージェント経由でも応募者の方が「一通りサイトをみた」と言って訪問してくれていますね。
戸部:御社に対する間違った理解や思い込みが少しずつ減ってきているかもしれませんね。
飯塚:サイトを通してどんな人が活躍できるかが伝わり、面接時にも「自分には、ここが足りないので、こう頑張りたい」などと自主的に話してくれ、以前より深いレベルで会話ができていると感じます。
戸部:具体的にどんな内容ですか?
飯塚:特に仕事内容への理解が深まっていると感じています。自ら「自分が入社したら、ここを頑張らなければいけないと思う。」などと自覚的に自分の力量を語れる方が増えてきました。自分は財務面に課題があるから強化したい、とか。「金融出身に比べると、僕はここが弱いかも」みたいに語ってくれます。
戸部:大切ですね。M&Aコンサルティングというと、実態がわからない人には仕事のレベル感が想定しにくく、よって勘違い層から近い業界にいてリテラシーがある層まで、応募者の解釈力にかなりの差がありましたよね。
飯塚:以前は、それで間違えてしまった採用もあったと思います。例えばtoCに近い営業しか経験していない方が「ガッツと人間関係構築力さえあればできる」と勘違いして入社され、結果的に成長できなかったり。反対に、高額な報酬やコンサルティングという言葉の響きに魅了されて、しっかりと努力ができない方だったり。
戸部:M&Aという言葉が一人歩きして、企業サイトの内容を“自分好み”に解釈してしまう。一方で面接だけで、応募者を見極めるのにも限界があって、ミスマッチにつながってしまうという状態だったのではないでしょうか。
飯塚:そうですね。今までは「高額な年収が欲しい」というタイプか、「地域の役に立てそう」という浅い理解で応募する方が多く、弊社のことをうまく伝えられないもどかしさがありました。
取材を通して、人材要件も明確に。
戸部:今回は、経営トップのお話をじっくり伺ったことで、活躍する人材要件も鮮明になっていきましたね。
飯塚:それも今回、トライしてとても良かったポイントの一つです。それまでは、ターゲットがはっきりしていなかったと思います。表面的だったというのか。単に金融出身者なら良いなど、なかなか軸が見つけづらかったですね。
戸部:経営トップのお二人の考えは、インタビューの当初では、ガツガツして成長意欲の高い人材、周りを押し退けてもやり切るような・・と強調されていましたが深くお話を伺うと、共通点として、クライアントである経営者の方との接点を大切にされている。経営者と一緒にいること・お話すること自体が楽しみになっているなと感じました。地方中核企業の経営者である、年長者を敬い、そこから学べるようなマインドセットが大切ではないか、とご提案させていただきました。
飯塚:二人のヒアリングを元に資料も整理していただき、社内でプレゼンしました。結果、私たち人事も非常に理解しやすくなりました。同様に、エージェントに対しても弊社の事業の難しさや人材要件を伝えやすくなったために紹介の質も上がってきています。
戸部:しっかりとご活用いただけているので、とても嬉しいです。
飯塚:エージェントの方もこれまでは情報が足りなかったせいか、どうしても「金融出身」などのスペックを拠り所に紹介するしか無かったのだと思いますが、今は、その方の意欲や意識の高さ人柄などを加味してご紹介していただき、どの方も会って良かったと感じることが増えました。
戸部:単にM&Aの案件をまとめるというだけでなく、地域の中核企業のオーナーから信頼を獲得するというもう一つの醍醐味に焦点を当てたコンテンツを用意したこともよかったですね。
飯塚:サイトを見た方からは、フィロソフィや社員インタビューを読んで、「自分も多くの経営者と接する仕事がしたい」「難しそうだが、チャレンジしたい」などの意見が出ています。しっかりと仕事の中身を理解してもらった上で、「企業のために尽力したい」という発言が増えてきた印象です。
戸部:今後に向けて何かお考えのことはありますか?
飯塚:弊社は変化が激しいので、自分達でも記事を追加できるよう改造したいのと、やはりIPOに向けて、より人材の採用と育成、理念の浸透にも注力していきたいと思います。
戸部:また、弊社でも、お役に立てるような情報をいろいろご提供していきたいと思います。本日はありがとうございました。