ORGANIZATION and BRANDING
2023.11.28

カラビナ流キービジュアルの創り方

こんにちは。デザイナーの伊藤です。今回はカラビナ流キービジュアルの創り方について紹介させていただきます。

●すべてはお客様を“知る”ことから

キービジュアルは、ブランディング、プロモーションや広告などで使用される重要なビジュアル要素の一つです。デザイナーとしては最も力をいれなければならないデザインであり、デザイナーの力量が問われるところでもあります。

だからと言って、ただ「かっこいい!」「オシャレ!」だけでは本当に良いキービジュアルとは言えません。そのキービジュアルが企業サイトなのか、採用サイトなのか、会社案内パンフレットなのかなど、そのツールは様々ですが、まずはそのお客様の立場になり、「本当に表現したいもの」、「本当に伝えたいもの」をしっかりと見極める必要があります。そこでカラビナではツールやコンテンツの制作に入る前に、そのお客様の企業分析を行います。

そのお客様の企業としてのコアは何か?特徴や強みを探り出すのはもちろんのこと、今まで培ってきた実績、業界におけるポジション、独自性や優位性を洗い出すとともに、未来に向けてどうなろうとしているのかなど、過去・現在・未来を見据えて徹底的に分析します。時には経営者、社員の人たちにお話を聞くことで、資料やサイトからは読み取れないDNAや風土を感じ取ることで、よりリアルにそのお客様のことを把握していきます。

当然、その時はディレクター、コピーライター、デザイナーは関係なく、プロジェクトチーム一体となってお客様のことを考え、分析し、理解することに努めます。そして、その中から湧き上がる企業としてのコアを見つけ出し、コンセプトに落とし込んでいくのです。

●異種格闘技から生まれるキービジュアル

コンセプトが構築されれば、そこからチームの中で専門分野のコピーライターがスローガンや、キャッチコピーを、デザイナーがビジュアルをと分担して制作していくのですが、その過程おいても各専門分野に任せ切るのではなく、定期的にチーム全員が集まって確認の時間を設け、意見を出し合います。ビジュアルに関してはデザイナーの担当だからと言って、それが優先されるといったことはありません。

ディレクター、コピーライターからも容赦ない意見が出ます。お互いがお互いの立場を尊重することはあっても遠慮することは決してありません。「本当にこれがお客様の伝えたいことが表現されているのか?」「このビジュアルがターゲットに“感じて”もらえるのか?」各専門分野の垣根を越えてお互いの意見をぶつけ合います。さながら異種格闘技といったところでしょうか。でも、それがカラビナらしさでもあるのです。

そして方向性が決まればデザイナーはより具体的な絵創りに入るのですが、当然ここでも異種格闘技が行われます。視覚的な要素を創造するのに、イラストがいいのか?写真なのか?グラフィックなのか?デザインを最適化し、効果的に伝えるために意見を出し合います。そして、そのことがキービジュアルをより良いものに昇華させていくのです。

キービジュアルの制作=デザイナーの仕事と思われがちですが、カラビナではデザイナーもあくまでチームの一員でしかありません。お客様の「伝えたいこと」を伝えたい人に伝わるようなビジュアル表現をするために、チーム一丸となってお客様の“想い”のこもったキービジュアルを制作しているのです。

Written by
TAKESHI ITOH

DESIGNER

広告デザイン一筋に、各種クライアントの雑誌広告、新聞広告、ポスター、パンフレットなどの商業広告から、イベントブースの設計・デザインなどの制作業務全般に携わる。現在もグラフィックデザイナーとして現場を兼ねつつ、アートディレクターとして、企画・提案から制作・進行管理までを担当。