ORGANIZATION and BRANDING
2023.09.14

カラビナ流コピー開発①

コピーライター コピー開発 ブランディング 

こんにちは。入社して3カ月が経過したコピーライターの腰川です。
記者から社会人をスタートして、編集者・ディレクター→コピーライター・ディレクターと、紆余曲折ありながらも、ものづくりを通じて、企業や商品の魅力を世の中に発信するお手伝いをしてきました。そんな私が、カラビナに入って驚いたこと。それは、カラビナの社長である戸部自身が、コピー開発のノウハウをおしげもなく伝授していた、ということでした。
今回は、そのカラビナ流コピー開発について、ご紹介していきます!

|こんな書き方があったのか!ディレクター流コピー開発

過去に、コピーライターの学校にも通い、大阪のコピーライターズクラブの元会長が創設した企業にも属していた私。コピー力はひとまず横に置いておくとして(汗)、コピーの開発方法について、それなりに耳にしていたとは思います。とはいえ、やみくもに数を書かせるコピー方法や、3C(市場、自社、競合)やSWOT(強み、弱み、機会、脅威)分析などの定型調査をもとにしたコピー開発は、ディレクター業を兼務し、1日がディレクター業で忙殺されてしまう自分にとって、なかなか限界があるなと感じていました。
そんななかで、出会ったのが、元ディレクターでもある戸部流コピー開発でした。

|調べる~解像度を高める~

コピー開発のファーストステップ。まずは、その企業だったり商品のことを知ること。「調べる」という工程が発生します。マーケティング部門がある会社では、マーケターの分析を参考にすることも多いかと思います。当社の場合、もちろん自ら調べることが多いのですが、戸部がよく言うのは、”いろんなレイヤーで情報を集めてくること”
例えば、ある企業のことを調べるときに、3CやSWOT分析はもちろんのこと、時間軸だったり、横の幅広さ、また、目に見えない想いなど、複数のレイヤーでその会社のことを立体的にとらえていきます。
とりわけその工程で重要なのが、経営者や経営幹部、ときには社員の方々に取材し、Webサイトや資料だけでは読み取れない社風やDNAなどリアルに感じとることを大切にしています。そうすることで、解像度あげて、平面から立体へ、その会社のことを把握することができるようになるのです。

|What to Say~何を言うかを考える~

その会社のことを解像度をあげて、立体的に把握することができたら、今度はその調査で感じたことをしたためていきます。
戸部いわく、“心の雑談”タイムです。
「あぁ、この会社がつくった空間で過ごしたら、心地いいだろうなぁ」
「あれ、ちょっとまてよ?弱みだと思ってたけど、実はこれって強みなんじゃないの?」
みたいな感じで、心で思ったことを自由に書き留めていきます。実はこの雑談。結構重要なんです。実際にやってみて、Webサイトや資料でしか使われない言葉に終始していたところから、より自分の言葉で、よりリアルな表現へと、言葉に広がりと厚みが出ることを実感しました。
そして、もう一つ重要なのは、こうした心の雑談を通して、ハッとする驚きや発見を見つけていく作業。
“いいコピーには、必ず驚きと発見がある”
戸部が何度も、口にするこの言葉。心の雑談はこの宝探しなのかもしれません。
そうした驚きや発見を定義づけていくことで、ユニークな切り口として、そのままコンセプトになっていくのです。

|How to Say~どう言うかを考える~

「どう言うか」を考える前に意識しなければいけないこと。それは、条件を設定することです。
・ターゲットは誰か?
・その会社の立ち位置はどういうものか?
・気を付けなければいけないポイントは何か?
など、複合的に考えたときに、どういうたたずまいのコピーがしっくりくるのかを考えること。
例えば、医師と一緒に製品開発をするメーカーの場合、「技術力のすごさ」を前面に出すよりかは、「ドクターや患者さんに寄り添う姿」を伝えるほうが、そのサイトを訪れる医療関係者からは、好感を得られるようになります。その企業の人以上に相手の立場になって考えること。それが書く上での大切なスタンスとなります。

そして、条件を設定したら実際にコピーを書いていきます。ここではコンセプトに沿いながらも、あまり決めつけず、自由に言葉を広げてゆきます。私はなかなかこれができないのですが、とにかくここで数を出すことが勝負になってきます。

|Brush up~研ぎ澄ませる~

最後はコピーを研ぎ澄ませていく段階です。
“書いたコピーをあきらめずに掘ってみる”
と戸部はよく言うのですが、「ちょっと弱いな」と感じる言葉を、少し強めの表現にしたり、反対に弱めの表現、または中間・・・と試行錯誤を繰り返していきます。
Ex.「想い」→「決意」「意思」「覚悟」「思いやり」・・・

また違和感がある言葉を見つけて、フラットな他の表現に置き換えてみたり、言いたいことに立ち戻ってみたり・・・試行錯誤を繰り返すことで、コピーはどんどんと洗練されていきます。そして、ようやく世に生み出せるコピーへと昇華されていくのです。まだまだ勉強中の身ですが、クライアントである企業や商品の輝きを世の中に発信できるように、精進していきたいと思っています!

では、次回、カラビナ期待のホープ!坂上からカラビナ流コピーライター第2弾をお届けします!

Written by
MARI KOSHIKAWA

業界新聞の記者としてキャリアをスタートしたのち、企画制作会社で編集・ディレクターとして、大手企業の広報ツール(PR、IR、CSR)の企画制作に携わる。2019年からは、家電メーカーをはじめとするセールスプロモーションを手掛ける制作会社でコピーライターとしての経験も積む。好きな飲み物はお茶。