クリエイティブに触れて|岡本太郎の言葉
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私が小さい頃はまだ生きていた岡本太郎。目を見開き、歯を食いしばってこちらを睨むような表情は、幼い目からも、ぶっ飛んだ大人という印象でした。ところが、大学生になってから著書を読み、すっかり心酔。以来、美術館や記念館には幾度となく足を運びました。
昨年の12月には、東京都美術館で岡本太郎展が開かれ、話題の作品が展示されているというので、見に行ってきました。話題というのは、パリで見つかった新しい作品。それはまだ、太郎が世に出る前に描いたとされるもので、私が見かけた記事には、太郎らしからぬ地味な色合いの絵が紹介されていました。激しい色使いや筆使いが注目されることが多い太郎。「あんな暗い絵を太郎が?」と、少し不思議な気分で美術館に向かいました。
美術館に入ると、いつものように小さい目を見開いた本人の写真と、原色ギトギトの絵・彫刻が出迎えてくれました。しかし、順路に沿って進んでいくと、ぼんやりと暗い一画が。そこに、うわさの絵が飾られていました。実際に目の前に立ってみると、これまで観てきた作品からは考えられないほど地味で、苦しそうで、辛そうな、暗い表情をした絵。ここからあんな激しい絵になっていくのかと、その心情や道のりを思うと、なんだか泣けてきて、岡本太郎の展覧会で初めて感じた感情でした。
「思いつめ、息苦しさをまぎらそうとして映画館に入った」
「暗い中でじいっと座席に身を沈めた」
「胸をおさえて、自分の身のうち奥深いところに無言で燃えている炎だけを抱きしめた」
以前著書で読んだ、彼が、生き方や芸術家としてのあり方に思い悩んでいた様子にぴったりとはまり、今回見つかった絵はおそらく、その頃に描いたものなのでしょう。目を見開き、歯を食いしばったあの表情で、若い頃から戦い続けていたんだと思います。
岡本太郎といえば、「芸術は爆発だ」はもちろん、他にも、
「自信を持ちたいなどという卑しい考えを持たない」とか、
「人間本来の生き方は無目的、無条件であるべきだ。それが誇りだ。」
など、戦ってきたからこその潔いフレーズを数多く残しています。
読んでいるうちにこちらまで鼻息が荒くなる!他の誰かからは、まず聞くことがない言葉にあふれていて、ときに行きすぎと感じるほどのオリジナリティ。だけど太い筋が通っていて、ぶっ飛んだ人とは片付けられず、妙に納得させられる。同じように生きたら大変な目にあうんだろうけど、惹きつけられる。
もし、自分て弱いなとか、物事って複雑だなとか、将来が不安だなとか考えている人がいたら、岡本太郎の著書を読んでみてください。言葉が抜粋してあるものではなく、なるべく、本人が書いた生の文章がおすすめです。記事を書いているうちにまた読みたくなってきたので、失礼します。
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