わたしの、ダメ社員時代Vol.1 『恐怖の飛び込み体験。』 | カラビナ
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いつも、コピーや採用ブランディング、時には組織の活性などと、立派そうなテーマを扱っている、このブログですが。 今回は趣向を変えて、わたしのダメ社員時代のお話を数回に分けてしていきたいと思います。 ちょうど、新入社員たちが社会に飛び立っていく時期ですし。 というわけで、ダメダメな新人時代について振り返らせていただきます。
私がダメ社員でした。 というと、結構、皆さん驚いてくださるのですが、実はそのリアクションに毎回、私自身が驚いています。 会社を設立してからも、気分はダメ社員時代とそんなに変わっていない。 そもそも、優等生やエリートといった感覚にも性質にも縁のない私です。
社名を名乗った瞬間に、鬼の形相に。
リクルートに受かって意気揚々と大手町のビルに出社したのは、今から20年以上も前。 (当時、大手町に営業所があったのです)最初の関門は、名刺獲得キャンペーンなるモノでした。 ご家族が経営者だという同期などは世慣れしていて、ちょっとロープレしても、すでに3年目くらいのビジネスマンの風格。 しかし、私は名刺交換さえ、初体験な上、心理学部出身でなんだか、ビジネスに必要な用語すらわからない有様。 こう見えて引っ込み思案ですし、知らない会社のドアを開けて図々しく、名を名乗って名刺を交換してもらうということが途方もない苦難に思えました。 さらにありがちな言い訳として、「これ、なんの意味があるの?」が頭の中をループして。
いずれにせよ、無理やり押し出されるようにして、オフィスの外に放り出された新人8名は、それぞれに割り振られたエリアに散っていきました。 私は秋葉原エリア。 割合と土地勘の利く地域でした。 秋葉原は、中小ビルが多くて、存在する企業も、個人商店に近いものから中小企業に近づいているモノまで様々。 まずは、飛び込みやすい路面にあり、ガラス張りで中の事務所が見通せる企業に入ってみました。 若い女子ということもあって、一瞬「なんの用?」という感じに出迎えられたものの。 「リクルート の・・・」と名乗った瞬間に、鬼の形相に!!
当時、91年はリクルート事件から数年しか経ておらず、お客様によってはリクルート=巨悪と捉えておられる方もいたのです。 名刺を破られん勢いで叱咤され、ほうほうの体で飛び出した私。 本当に、恐怖体験でしたね。 何しろ、ハナからやる気もないわけですし(笑)。
親切そうな人がいるビルを探して歩く!?
それでも、重い足を引きずりながら、多分、何社か飛び込んだのだと思います。 正直、ビルも会社もいくらでもあるので、こういうことができる人にとってみれば「なんてことない」こと。 嫌な対応をされても、自分に言っているのではないんだ、と切り分けることができたらいいのでしょうが。 そんなヤマのようなビル群の中から、親切そうな人がいそうな会社を見分ける!もちろん、新人ですし、そんなのムリ、なんだけれど、自分なりに「あまり、気取っている感じのビルは敷居が高そうだな、、ボロボロすぎるところは、考え方が保守的そうだから、リクルートなんて名乗ったら、殺されるかも・・」などと斟酌。 そうやって程よくくたびれた、しかし、そこそこ清潔感のあるビルを選んで、訪問することに。
その中に一社、小さな製粉会社がありました。 製粉会社を選んだのは、とにかく訳のわからない事業をやっている会社に飛び込むのは“恐ろしい”の一心から。 小さめの雑居ビルの6階くらいのドアを開けると、薄緑色のジャンパーを羽織った社員たちが、ワサワサと仕事をしていました。 エントランス仕様に仕立てられている、カウンターのところで、「リクルートの・・」と不安ながら名乗ると、「え、何なに?リクルートさん」と想像したよりは好感触。 けれども、心理的に1日の疲れと怯えがかなり身体中を回りきっていたので、そんな客観的に捉えることはできず、なかなかの不信感で、先方の言葉を聞いていました。 しかし、名刺も交換してもらえた上、何やら「中途採用、考えてんだよね」みたいなことを言っていた気がする。 けれど、なんとか制限時間になったことが嬉しく。 それ以上、営業的な話など一切せずに、帰社。
ほぼ1日かけて集まった名刺はたったの8枚で同期ではもちろんビリ(笑)。 伝聞されてきた情報では、新橋エリアの新人の一人は、新橋駅の改札近くに立って、通る人皆に名刺交換をして、100枚近くを集めたという猛者もいたそうな・・・。 しかし、そんな言葉が、ひどく遠くから響くような心象になるほど、芯から疲れ切っていた私でした。
圧倒的な、ビリスタートを記録。
いやぁ、書いていても笑ってしまうくらい、いいとこナシの新人時代。 自分の度胸のなさにも感心しますね。 しかし、多分、私は今も、あまり知らない会社に飛び込んだりするのは好きではないと言い切れます(笑)。
そして、リクルートについて擁護すると、こうした飛び込みキャンペーンは、様々な社会情勢の変化の中で下火になり、今は開催されていないはず。 また、後日談をお話しすると、飛び込みキャンペーンでは部門最下位だった私ですが、飛び込んだ製粉会社から再び電話がかかり、先輩と訪問したことで「とらばーゆ」(当時、発行していた女性向け転職雑誌)を受注。 偶発的ですが、初受注だけは早かったのです。 しかし、それも成功談ではなく、あくまでまぐれ当たりでしかなく。
さて、そんなビリ・スタートを切ったダメ新人ストーリーは、もっともっと、ダメな展開になっていくので、お楽しみに。 そして、もしやして、これを読んでくださっている新人や若手社員の皆さんがいらしたら、「そんな人でも、なんとかなるんだ」と励みにしてくださいね。 では、今日はここまで。
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