わたしの、ダメ社員時代 Vol.6「出口のない暗黒時代に、オレの三番目に大切なお客様を?」| カラビナ
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前回、お話しした大クレームとそれに対する反省のなさ、によって、永久追放に近い処罰を受けた私。せっかくいい広告を作ろうと意気込んできたのに新しい原稿を作るチャンスさえ封じられ、なかなか出口がない感じ。世間とは弱いものにこそ厳しいもの。周囲からも「なんとなく相手にされず」、みるところ無し。そんなわけで、実はあまり当時の記憶がないんですよね、暗黒すぎて(笑)。今はすっかり仲良くなった、隣の席のすごく仕事のできる先輩にも「お前が近くにいるとやる気がなくなるんだよ」とか恫喝されて。ただ心理学出身故に、「こういう人っているよね、仕事よっぽどキツいんだなぁ」とか思ってやり過ごしてた、どっか能天気な私。
査定点はいらない、新規原稿が作りたい。
でも、私にとっての本質的な問題は、社内の評価などではありませんでした!なんてったって新しくて面白い(はずの)私の原稿が作れないなんて。そのためにリクルートに入ったのです。新規事業とか作りたいわけでも、査定点をたくさん取りたいわけでもない!そこが一番、困ったこと。ですから正直、周りがどう思おうと、評判には鈍感なところがありました。でも、「捨てる神あれば拾う神あり」というように、当時、トップ営業マンだった先輩がふと近寄ってきて。「俺の三番目に大事なお客様なんだけど、戸部やらない?」と声をかけてくれたんです。
「ええ!マジかー。(こんな評判の悪いワタシに?)」「優しい人?うん、いや物好きな人。でも、新しい原稿作れるんならいっか」などと高速回転で損得を計算した私。そして、「こりゃ、受けといた方がいい」とジャッジ。まったく先輩の親心などわからぬ、困ったちゃんでしたね。そして早速、トップ営業の先輩とお客様のところに伺いました。それは道路舗装業の中堅企業。決して華やかな企業ではありませんでした。
コツコツと道路づくりの面白さを描いてみる
ところで、採用の広告って、ある意味、特徴が乏しかったり地味な感じのするお客様のオンパレード。けれど、深掘りすると滋味あふれる魅力を持っていたりする。だからこそ、制作力が必要なわけです。ってなわけで訪問し、出てこられたのが、地味ながら、どこか品の良い60代手前といった年齢の男性。小柄でしたが、背筋がピンとしてらっしゃいました。おもむろに、入社面接の様なことを聞かれました。テキパキと答えていたら、明るく「合格です」と。
その日から、このお客様をどうしたら魅力的に見せられるかと格闘する日々に。トップ営業マンの先輩も、ちょっと心配ながらも、私が色々と調べたりアイデアを出すのを微笑ましく見守ってくださいました。けれど、道路舗装業は企業によって、大きな技術の差はないですし、案件も道路なので違いに乏しい。要は個性を出しにくいんです。
で、担当一年目は、道路の作り方をきめ細かく取材して面白そうに感じるように作りました。お客様にはとても好評。しっかりと情報を得て、見せ方も工夫したので採用の効果も上がっていました。当時の自分としてはなかなかの改心作!そして、やっとこさ、念願の社内コンテストにエントリー。せめて、部内の賞くらいは取れると思ったのです。
リベンジならず、まさかの落選
ところが!ギリギリのところで落選。正直、がっかりしました。自己分析では、同時にエントリーし入賞した他の原稿と見比べても劣っているとは思えなかった。これにて、私は痛感しました。これは「ブランド力」だ!と。つまり、評判の悪い私の作品で、入賞しようとなるとかなりのレベル差がないと難しい。そこそこの原稿とどんぐりの背比べをしてる様じゃ“人気点”みたいなアドバンテージを持ってない私には不利なわけです。「ふーむ」と心の中で腕を組みました。敵の手の内は見えたぞ!と。よくも悪くも、こんなことで投げ出さない私。これにて偵察完了の心境で、次の機会を淡々と狙ってやろうと思いました。本当は、この原稿で先輩たちに吠え面をかかせる予定だったのですが(笑)。残念無念の巻でした。
・・・いいところ無しの日々に、一つの灯りのようだった道路会社の仕事。それを振ってくださった営業のHさん。
今、振り返るとリクルートっていい会社ですよね。こういう困った子を放っておかないので。毎日は、なんだか思う様でなくても、ところどころで先輩たちの愛情や同期との傷の舐め合い?があったからこそ、なんとなくやれていた。自分の図太さもある意味すごいけど、当時のあの環境は、不思議な磁力をもった場だったのかもしれません。
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