わたしの、ダメ社員時代 Vol.5「社長の逆鱗に触れる!ついでに上司の逆鱗にも触れる!」| カラビナ
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ざっくり統計によると、多くの人のダメ新人時代って長くて3年目くらいまでのようなんです。でも、私はもっと長いこと燻っていましたねー。当時は結構、辛かったので記憶も曖昧。周囲からも認められず、今思えば軽い鬱状態ではなかったかと思います。性能も異様に下がっていました。あ、ちなみに、なぜ、ここまでダメ社員と言い切れるかというと、その頃、首都圏の5拠点で「戸部というやばい新人がいるらしい」と評判になっていたようなのです。と言っても自分で耳にしたわけではないです。親切な先輩がわざわざ教えてくれたり(笑)、後に知り合った先輩方から、「そういえば、そんな噂があったなぁ」と言われてから、真実だと知ったのです。ある意味、すごいことですよね。そんな注目を集めるなんて!
これはひょっとしたら「いい原稿」なんじゃないか?
さて、ここからはだいぶ、記憶が朦朧としている2-3年目の頃の出来事をば。「戸部はできない」「使えない」などと言われつつも、ちょっとどこ吹く風な感じでマイペースに生きていた自分。とはいえ、内心では賞をとりたい!とか。どう考えても先輩たちの原稿ダサいよな、と思っていました。そんな中、割り当てられた小さな建築資材系の商社。とても差別化が難しそうで、学生にとって魅力的とは思えない業種。社屋も資材がガサガサと置いてあって、バブルが弾けたとは言え、まだ採用の意欲は高く「ここで本当に学生を集めることができるのかなぁ」と思うような会社でした。こういう時はとにかく社風で攻める!そんな浅知恵だけは身についていたので、社風の良さを伝えられないものかと、色々と探し、先方の採用担当ともそれなりに関係を築けました。
当時、私たちはディレクターという職種で、自分が原稿を書くことはなく、外部の経験豊富なコピーライターの方々(結構、みなさん年上でした)にお願いしていました。
しっかりと相談し、それなりに温かみもある良さげな原稿が上がってきた。「いいかも!」「これなら、部内のコンテストくらいは通るんじゃなかろうか」と淡い期待を持ちつつ、顧客にプレゼン。とても、喜んでもらえ評価は上々でした。しかし、その数日後、一本の電話が・・。「ちょっと、社長が気に入らないって言っていて、、なんとかして欲しい」と弱った声で電話が入ったのでした。早速、駆けつける私。
なーんて、話のわからない人だろ?
社長が気に入らないとおっしゃった一節は、「会社の未来も任せたい」と言ったような文言でした。
2代目で既に60代を超えていた社長は「うちは後継者がいるんだから、こんな書き方は困る」と。相変わらず怖いもの知らずの私は、内心「なーんて、話のわからない人なんだろ!そんな直接的に捉えなくても」と楽観的に構えていました。それに、汎用的な建築資材を扱う卸問屋である顧客。こうした文言をとってしまえば、ますます魅力もなくなってしまう。わかっていただけるはずと説得したのが、裏目に出たようなのです。その時は、一見、納得したかのようにされた社長でしたが社に戻り、夜も7時を過ぎた頃、上司から呼び出しが。手にしていたのは一枚のFAX。どうやら、そのお客様の原稿ですが、文面は私が提出したものではない・・。「???」
上司曰く、それはお客様が私の話を受けて自ら書き直された原稿。読んでみると、ある意味、申し上げた通りの出来なのですが、それに続いて、「あなたのいうように書いてみました。でも、とても失礼な社員なので、取引をキャンセルしたい」といった文言もありました。嫌な予感がないわけではなかったが、こういう方向で来るとは!さらに、このFAXを私の部署ではなく、以前、取引のあった他部署に送ってくださるという念の入り用です。これは、どのような意図なのかしら?上司は本当に怒っていたんですが、私の振る舞いがさらに火に油を注ぐことに!!
得意の弁舌で、“火に油を注ぐ”!
一読した私として一番に感じたのは、「この方、鬱屈しているな」と。指摘が気に入らなければ、その場でおっしゃればいいのに。わざわざ修正して、さらにキャンセルとは、時間の無駄。なぜ、24歳くらいの小娘にここまで怒りをぶつけるのだろう?という“疑問“でした。それを素直に申し上げたところ、当然ですね。「お前は、人の気持ちが理解できない!」と逆鱗に。そりゃそーだ。どうして、こういう時に余計なことを言っちゃうんだろう。ってな顛末で、以来、戸部=危険。よって、ヤツに新しい原稿なんて渡すな!という空気が部署内を万延。おかげで、正社員にもかかわらず流用ばかり担当するように。やれやれ。
今回は、あまり明るいオチがないのが申し訳ない(笑)。そして、「時には長いものに巻かれろよ」と思う自分。大人になった今、あの時の社長はどう思っていたのだろうと考えます。印象に残っているのは、窓のない社長室から出てきた高齢の社長がまとっていた、なんとも言えない重たい空気。先代がつくった事業を継承し、私には思いも寄らないほどの重責を背負ってらしたのではないか。20代前半の世間しらずの私には、その背景を慮る力もなければ、気配に怯えて「丸めてくる」という柔軟性もなかったことは確かです。その方の歴史や思いを、悪気なく踏み躙ってしまったのだと思います。
と、神妙にはしてみたけど、こういうの私に向かないな。やっぱり、社長は元気で明るくタフがよし!です。器だって大きくあって欲しいもの。なーんて、これこそ負け惜しみか。そんな関係を作れなかった、自分が未熟だっただけなのですもの。
*この事件では、ご迷惑をかけた方も多く、この場を借りて改めて、ごめんなさい!
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