カラビナ流コピー開発②
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先輩と代表からのバトンを受け取ったことに、胃が痛くなるくらいのプレッシャーを感じている坂上です。今回はいち若手社員が感じ、考えてみた、カラビナ流コピー開発についてご紹介します。
|そもそもコピーとは何か
いきなり問いを立てましたが、コピーとは何でしょうか。気付きを与えるもの?美しく、ひっかかりのある表現?私はまだ「これだ!」という概念に辿り着けていないのですが、現状で一番しっくり来るものは、その広告主のらしさが見える & 課題に対して解決策を提示している言葉だと考えています。
と、偉そうなことを言ったものの、往々にして良さげな言葉を並べただけの、コピーもどきを書きがちな私。前職時代に一人で粛々とコピーを書いていたことから、変な癖もついており、絶賛矯正中です。
そんな私がカラビナに来て、こんなコピーの書き方があるんだ!と驚いた点をいくつか紹介したいと思います。
|らしさ=独自性を見つけるために
最初に驚いたのが、企業やサービスについて調べ、分析するという、コピーを作る手前のリサーチ・考察が広く深いということ。その企業の優位性や、知らず知らずのうちに表出している個性を見つけるために、時間の限りを尽くします。サービス、製品、経営、理念、人柄…。さまざまな項目の中から、考察の元になる情報を集めます。ここで重要なのが、項目ごとにその周辺情報も調べること。例えば、サービスを調べる際にはそのサービスの周りにある市場も見ます。そして市場がこれまでどのように変化してきたのか、そしてこれからどのように変化するのかを見ます。さらに、その企業がどうしてそのサービスを作ったのか、そのサービスの考えとして理念につながっている点は何かも調べていき、背景についても分析をします。
そうしてさまざまな情報が並んできたら次に行うのは、考察タイム。例えば、サービスについてズラーっと並べた情報群から、まだ言語化されていない各サービスごとに共通したポイントは何かを考えます。例えば、「こういった考えを持っているから、こういうサービスなんだろうな…」のように、明記されていなくともその背景にもアンテナを張るのです。それを他の製品や経営などについても同じように行い、あらゆる項目において考察を深めます。
そうしてさまざまな視点で考察を重ねていき、一つのコンセプトを導いていきます。この時点で、その企業やサービスの特長を捉えた、独自性の強いコンセプトが既に生まれています。
「良いコンセプトはなんとなく良いなと思えるもの。むしろ良いと感じなければコンセプトにはできない」。代表の言葉をそのまま引用してみましたが、まさにその通りだと思います。
|ここでやっとコピー開発です
そして、ここからがコピー開発。コンセプトの軸をブラさずに、より伝わる表現へ昇華するための言葉を考えるフェーズです。ここで大切なのは、一つの表現などにとらわれず、俯瞰的に書いていくこと。
例えば「神様から見たらどんな企業?」「ターゲットから見たら?」と視点を変えてみたり、「サービスを体験したらどんな感情になるのか」と想像しながら体験してみたり、「サービスがどんなふうに、ターゲットに届いているのか」と一歩引いてみたり…。今、自分が書いた言葉はどんな視点なのかを振り返ってみたり…。コンセプトを中心にしながら、マインドマップのように散らしながら、さまざまな視点でコピーを書いていきます。
コピーライターの方は100本ノックという言葉を聞いたことがあるかと思いますが、このコピー開発においては100本書くことはあっても、決してコピーっぽい言葉でまとめる必要はありません。ボキャブラリーを広げていきながら、コンセプトを伝えられる言葉をこまめに探していきます。
ここまで行うことで伝える言葉の構造が仕上がってきます。そして最後に行うのがチューニング。言葉の検証です。類似する表現はないかを探してみたり、順番を変えてみたり、リズムを変えてみたり…。細部にまで目を凝らし、修正を重ねます。こうして試行錯誤されていくことで、コピーになっていきます。
改めて自分が今、どのようにコピーを書こうとしているかを振り返りながら、記事を書かせていただきました。
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