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2023.03.20

わたしコラム|やりたいことリスト④編み物に挑戦

やりたいことリスト 

2ヶ月ほど前、友人に誘われ編み物ワークショップに参加する機会がありました。
過去を振り返って思い出す自分の編み物の体験といえば、はるか昔。学校で編み物がちょっとした流行になり、休み時間にみんなで机を寄せ合っておしゃべりしながらマフラーを編んだのが最後です。編むことそのものよりも、友達とのおしゃべりが楽しかった思い出。

その後何度か本屋で編み物の本を開いたことはありますが、暗号のような編み物の設計図をひとりで読み解ける自信はなく、そっと閉じては棚に戻し、いつしか棚の前に立つこともなくなりました。私が昔編んだような、同じ手順をひたすら繰り返すマフラーならまだしも、セーターや手袋など立体物となればハードルの高さは段違い。今まで遠い世界であったそんな編み物の世界に、今回足を踏み入れることとなりました。

編み物の世界では、編み物をする人を「ニッター」と呼んだり、編み始めの作り目を「キャストオン」といったりするのだそう。その響きすらなんだかかっこいい。
「表編み」や「裏編み」、「かのこ編み」など、基本的な編み方を教わり、それらを組み合わせ、鍋敷づくりにチャレンジすることに。

作り目を39目作ったら、39目編むとそれで一段。何段か編んだらまた違う編み方で何段か編む。こうすることで模様の違う編み目が出来上がっていきます。
・・と、書いてみると単純なのですが、ほぼ初心者のわたし。編み針の持ち方、指に糸をどう掛けるか、そして針をどう動かして編んでいくのか。慣れない手つきで一手順ずつ確認して進めながら、次第に、これは途方もないぞ・・ということに気がつきます。
目指すは正方形の鍋敷。でも目の前にあるのは、まだ細長い何か。

大変なところに足を踏み入れてしまった・・!と思いつつ、お茶をいただきながら、ゆるりと雑談しながら、そのお宅で飼われているワンちゃんが時々膝にあごを乗せてくるのに癒されながら、もくもくと編んでゆく時間がなんとも落ち着くのです。
確かに、溶けていく時間。けれど、その時間の経過が編み目となって現れていく小さな充実感と、まだ見ぬ完成形への期待がわたしの手を動かします。

「今、ここ」に集中するマインドフルネス的な要素も、というと大袈裟かもしれませんが、実際家に持ち帰ってからも、繁忙期で忙殺されながら「今日は5段だけ・・」と編み物をする時間は、無心になって気持ちをリセットする貴重な時間となっていました。

少しずつ編み進め、2ヶ月かけて完成した鍋敷

ニッターはなぜ編み物を編むのだろう。そのモチベーションはどこからくるのだろう。
編み物は、厳密だ。そう思っていたわたし。編む技術云々より、「これが編みたい!」という気持ちが最後まで編む原動力になるということ。「このかわいい毛糸を使って編む一目一目が尊い!」と編む過程そのものが楽しい人も。

さて、次は何を編もう。ときめく毛糸を探しに行ってみよう。
そう思っているわたしは、すでに編み物の沼に片足を突っ込んでいるようです。

Written by
FUMIKO TAIRA

WEB DESIGNER

前職では輸入玩具や公園の大型遊具を扱う専門商社で公園や遊び場づくりに携わる。 ひとつのプロジェクトを形にしていく中でプロダクトやサービスの価値や想いを届ける仕事に興味を持ち、WEBデザインの世界へ。好奇心旺盛で常に何かにハマっているが、特に音楽と旅と映画が好き。うどん県出身。