iittala創立140年の記念展。ガラスとデザインの掛け算が面白かった!
ガラスの工芸品は人の創意工夫が面白い。
突然ですが、私、ガラスがの工芸品が好きです。
幼い頃から思っていました。なぜ、ガラスも宝石と同様の美しさがあるのに、同じ扱いを受けないのだろう?と。宝石は有り難がるのに、ガラスは有り難がらないのはなぜ?いずれも同じだけの感動をくれるのに・・・と。需要と供給、希少性と汎用性を理解した今も、釈然としない一方、加工できる良さがガラスにはあることに気づいてからは、「キレイなガラス細工がお手軽に手に入るなんてラッキー」とか思いながら、ちょくちょく、ガラスの工芸品に手を出しています。
そんなガラス工芸の中でもそのデザイン性と独創性が長く愛されているフィンランドのブランド:イッタラ iittala 。今回は渋谷のBunkamuraで行われている、日本では初めてのイッタラ展に行ってきました。例によって、見ただけでは分からないことも多いので、館内ガイドもお借りして楽しんできました。
まず、入ってすぐに、ぐにゃっとした水たまりのようなアメーバのようなガラスたちのお出迎え。有名な作品なのでご存じの方も多いかもしれませんが、これ、花瓶なんです。普通の花瓶の概念とは全く異なっているこの花瓶、気を衒っているのかと思いきや、草花を活けるとより一層映えるデザイン。イッタラのホームページに活けた写真があるので、よかったら見てみてください。

「花を活けてその美しさを引き立てる」という道具としての役割を果たしながら、一つのモノとしての独創的な面白さ。ものづくりに携わったことのある方なら分かると思いますが、この両立が、本当に難しい。イッタラ初期の作品ではあるものの、デザインの一つの完成形のように思われて、尊敬の念を抱かされる作品です。
この作品を皮切りに、イッタラ創業の19世紀後半から、個性豊かなデザイナーたちが生み出したさまざまな作品を見ることができます。極論を言うと「ガラス」であること以外、同じブランドの割には共通点なくない〜?と思うかもしれません。それぐらい個性豊かな作品群には、きっと目を惹かれるものがあると思います。

最後にもう一つ、楽しみを。
展示を味わうこともさることながら、美術展のもう一つの楽しみが、観覧後のお買い物。展示エリアが終わると、大概、その展示のレプリカやグッズの販売コーナーが待っています。展示エリアでの感動の度合いが高ければ高いほど、散財することになりかねません。財布の紐をしっかり締めて臨みましょう。
案の定 今回も、あれもこれも欲しい想いに駆られながら、結果、時間をかけて厳選したグラスを購入。(やっぱり、お金を使わずに帰ることはできず。。。)iittalaらしいブルーのグラス。リーズナブルではなかったけれど、すっかりiittalaファンになった自分は誇らしい気持ちで家路に就いたのでした。
2022/9/17 渋谷Bunkamuraより