SHIKUJIRI NOTE
2021.05.13

わたしの、ダメ社員時代 Vol.3「可愛がられる素質のなさに、ボー然!」

ダメ社員時代 

新人時代を振り返ると、自分の不器用さやコミュニケーション能力の低さ。さらには、社内でのアピール下手さにも目が奪われます。そして、大人になった今だから、言えるのは、一見どうでもいいと思いがちの、小さなコミュニケーションを重視することが、よい新人時代を過ごすコツでもあることです。場合によっては、新人時代がダメでも、優秀な人材になる人がいますし、その経験が活きることもある。あるにはあるけど、そんな目に合わないで済むなら、それに越したことはありません。周囲に悪い印象を与えてしまうと挽回に時間がかかるし、会社員生活が異様に辛くなることもあるので、若手の皆さんは、私のような「テツ」を踏まぬようにしてくださいね。

戸部というヤバイ新人がいるらしい。

私がなぜ、そんなにも自分の新人時代がダメ社員だったかというかといえば、実際に、当時、首都圏の5拠点で「戸部というやばい新人がいるらしい」と評判になっていたためなのです。と言っても自分で耳にしたわけではないです。親切な先輩がわざわざ教えてくれたり(笑)、後に知り合った先輩方から、「そういえば、そんな噂があったなぁ」と言われてから、真実だと知ったのです。ある意味、すごいことですよね。そんな注目を集めるなんて!

ただ、こういう評判というのは、年度年度、発生する面もあります。なので、今思うと私はメガトン級のダメ新人ってわけじゃなかったかもしれませんが。でも、仕事も干されたり(正社員なのに!)とだいぶ、やばかったことは事実。そこまで落ちていった要因は、今思うと、「生意気さ」と「可愛げのなさ」だったかと思います。前述した原稿担当時代にも、先輩がダサイ原稿を作ると「ダサイなー」と思いながら渋々プレ。お客様が「でも、この原稿ですけど」と文句を付け出したら、「それ見たことか!」と嬉々として意見を吸い上げ、修正を依頼するんですが、そこで大いに先輩に怒られる。「お前は原稿を通してくるのが、仕事だろう!」ということです。そうは言ってもね、変な原稿は変なんだから。なにしろ、私。高校時代から広告批評(当時、とても有名な広告雑誌)を読み込み、マガジンハウスの記事作りを研究し、そのレイアウトの美しさについても探究。なぜ、このコラムが優れているのか?なども独自の論を立てていたくらい。ようは、とても、広告などの制作物にうるさかったのです。学生時代も、勉強なんかほとんどせずに、広告とかの研究してたようなもんなんで(笑)。

と言った態度がきっと感じ悪かったんでしょうね。よくケンカしてました。後、態度に出る頑張り屋じゃなかったので、「戸部=いい加減」の代名詞。難しいお客様は戸部に任せずに、頑張り屋のアルバイト社員に任せようという風まで吹いて。そうこうするうちに2年目になりました。すると、原稿担当は、1年半ほどの寿命で解体。確か、社員が担当する業務ではなくなったのだと思います。横滑りするように制作へ。しかし、ここからが本当の試練の日々と言えるのかもしれません。続きは、次回へ。

Written by
FUMI TOBE

CEO & CREATIVE DIRECTOR

代表取締役 クリエイティブディレクター/コピーライター 心理学科卒 91年 株式会社リクルート入社。ベンチャーから大手企業までの企業広告、ブランディングに関わる。2000年、クリエイティブディレクター/コピーライターとして独立。TCC会員。 【受賞歴】 東京コピーライターズクラブ新人賞/産業広告賞/福岡コピーライターズクラブ賞/東京コピーライターズクラブ ファイナリスト/BtoB広告賞金賞 など