CARABINER MVV
2019.02.28

Mission Visionのつくりかた。「みんなが欲しくなるミッション/ビジョンを創ろうよ」の巻

スローガン ビジョン ミッション 

ちかごろ、以前にも増して、さまざまな企業のミッション/ビジョン作成のオシゴトをいただくことが多い私たち。また、その際に、それまでのミッション/ビジョンや経営理念として置かれているコトバの課題に気づくことも増えました。

実は、当社カラビナは広告制作会社でもありますが、目指すところは、こうした企業理念をはじめとする、経営や組織、事業と関わるコミュニケーションをクリエィティブで加速すること。まだまだ、道半ばで、この大きな領域の一部しか見えていませんが、大急ぎでみなさんにお伝えしなきゃ(だって、よいミッションをつくった方がいいに決まってるから)。と、コラムにさせていただきました。

正しいけれど、魅力のないミッション、ビジョンって多くないですか?

企業にとって、理念やミッションを整理するのは、とっても重要なこと。それによって表層で理解できる事業価値だけでなく、その先に創りたい社会や世界観が明確になり、従業員も社会も賛同しやすくなる。この方程式に違和感を持つ人はいないはず。でも、「つくればいいのか」「まとめればいいのか」というと違うのではないか、と私たちは思います。ないよりはもちろん、いいのだけれど。その内容や言葉が、従業員にとって魅力のないものだったら。たとえば、顧客第一主義やら、インターネットの世界で誰よりも価値を発揮、のような「そりゃそうだ。けど、どこの会社もそこ目指してんじゃないの?」のような絞りきれない&独自性のないものだったら。従業員としては、なんだか、キラキラとできないんではないでしょうかね?

いち社員としては、やっぱり口にして嬉しかったり、誇れたり、チャーミングだったりしたいよ。

そんな私の出身のR社の言葉。多くの方がご存知の「自ら機会を創りだし、機会によって自らを変えよ」は、けだし名言です。コピーライター戸部としては、これ以上の名コピーは実はない気がしていて。などと、社員に思わせたら、それは会社の勝ちですよね。創業者江副さん作のこの言葉が優れているのは、企業の方向性も従業員の働き方(行動指針または、Value)も表明することができ、モチベートもできているところ。ですから、よい理念とは、しっかりと従業員目線も入っていることだと思うのです。ところが、実際の理念の多くが(ちゃんと言葉のプロに依頼している一流企業を除き)、なんだかまるでお説教のよう。でなければ、ハムラビ法典というべきか。「ねば!」「ならぬ!」「べき!」のような命令形のトーンが多かったり、やるべき方向や事業の範囲はわかるけど、ルールブックみたいだし。と、なんだか、つまんないなという気分になるのでした。

“そんな社会なら、欲しいわ!” “楽しそう、やってみたい!”が見えるといい理念。

というわけで、ひとまず今回の結論は、その言葉を聞いてみんなが(顧客と潜在顧客が)、「いいじゃん!」「大歓迎!」「そんな社会欲しい」とときめく。そして、従業員が「それ、やりたい。」「なーんか、わくわくするぞ」「うそ、カッコいい」「できたら、すげぇな!オレたち」とザワめくようなものであるべしです。さて、それをどうつくるのか?もちろん、最終的な仕上げにはクリエイティブなスキルも十分に必要ではありますが、「何を言うか」の根源的な部分にも多少のノウハウはあります。それに、経営やビジネスへの理解力だけでなく、人の認知構造や感情を動かすノウハウ(ここが、クリエイティブ&マーケティング力)の2軸がないと、本当に機能するものはつくれない!!なんて、このリクツは、また次回にて。そんな訳で、御社の理念やミッション/ビジョンはいかがですか?楽しそうで人をワクワクさせますか?世の中をなんだか、まっとうな方向に導いてくれそうですか?いい奴に見えていますか?

以上、現場からです!

Written by
FUMI TOBE

CEO & CREATIVE DIRECTOR

代表取締役 クリエイティブディレクター/コピーライター 心理学科卒 91年 株式会社リクルート入社。ベンチャーから大手企業までの企業広告、ブランディングに関わる。2000年、クリエイティブディレクター/コピーライターとして独立。TCC会員。 【受賞歴】 東京コピーライターズクラブ新人賞/産業広告賞/福岡コピーライターズクラブ賞/東京コピーライターズクラブ ファイナリスト/BtoB広告賞金賞 など