美しいだけでない、ビジネスに機能するコトバであるか。
このように企業や事業のあり方を規定するスローガンは、単なる「表現物」ではありません。どんなに心地よい言葉であっても、それが機能することがなければ、投資する価値はないとも言えるのです。キャッチコピーやスローガンのような言葉は、日本語さえできれば、誰でも作ることができると思われがちですが、実は経営戦略や事業戦略に詳しく、競合環境などもお客様にオリエンテーションされずとも理解しているようなプレイヤーでないと、優れたものは生まれにくいのです。
開発から時代を経ても、心を動かすことのできるコトバであるか。
その一方で、では経営コンサルタントに依頼すればいいのではないか?と考える方もいるかもしれません。それが間違った戦略とは言い切れないものの、言葉のプロではない方がつくったスローガンやコピーというのは、開発したばかりの頃は、機能するのですが、時が経ち、当時の状況を知らない人材が増えてくると風化しやすいものです。なぜなら、言葉としての魅力や力がないためです。企業スローガンや事業スローガンの価値というのは、なんの説明がなくとも、やりたいことや生み出したい世界観が瞬時に、人々の頭に浮かんでくるように作らねばなりません。戦略性や差別化といった左脳の仕事だけでなく、エモーションや創造性といった右脳の仕事との両立ができなければならないのです。