はじめまして。昨年の10月に、ディレクター兼コピーライターでカラビナに入社した岡村です。ディレクションもコピーを書くのも、まだまだ修行中の私ですが、今回はこの5か月間で学んだことを書いていきたいと思います。
とにかくストレスの溜まる文章。
「兼」ですが、はじめて、名刺にコピーライターという肩書が加わった私。
今も、身の引き締まる思いで、このブログを書いています。
以前勤めていた会社では、企業さまの会報誌のディレクションを行っていました。イベントの取材記事など短い文章は書いていましたが、カラビナに入社して、改めて「言葉」と向き合うようになりました。
そして、早々に「言葉」の壁にぶち当たるのです。
あるIT企業の採用パンフレットとサイトに掲載するインタビュー原稿を書いた時のこと。採用ツールの作成に携わるのもはじめてでした。IT業界の知識もなく、インタビューから仕事内容をイメージすることが難しく、悪戦苦闘。テープ起こしの原稿と長いことにらめっこしながら、なんとか書き終えました。
しかし、出来上がったものは、内容を詰め込みすぎ、一文一文が長くて読みにくい。話の流れがおかしい。専門的な用語が多い割に、具体的な説明が足りなく、学生が読んで分かりにくい。読んでいて、とにかくストレスの溜まる原稿でした。
読み手は、誰?
なぜ、そのような原稿になってしまったのか。振り返ると、当時の私は原稿の形にすることばかり考えていました。肝心の読み手である学生が見えていなかったのです。
バリバリの文系出身である私は、「IT=理系」というイメージを持っていました。正直、インタビューで話されている内容も、「理系のことだからわからない」と思っていました。
しかし、今回採用ツールを作らせていただいた企業さまは、理系だけでなく文系の学生も採用しています。そもそも、学生たちにとって社会に出るのは、はじめてのこと。まずは、どの学部の学生にも、その企業で仕事をするイメージができるように、仕事内容をかみ砕いて書かなければいけないんだ!とはじめて気づきました。インタビューでは語られていないけれど、必要であれば補足の説明も加えました。
そして、直してみるうちに気づいてきました。「そうか、一文が長くなったり、話が飛ぶのは、伝えるべきことが明確でなかったからなんだ」。学生にとって、その仕事やインタビュイーが魅力的に感じられる内容は何かを見直して、内容の取捨選択をして。そのうえで、区切られるところは区切って一文を短くしたり、話の流れを意識することでリズムの良い文章を心がけました。
そうして、私のはじめてのインタビュー原稿は完成しました。
見えないお客さまを見る。
そんな私。実は、今だって、コピーや原稿を考えていて、行き詰まることばかりです。
話は逸れますが、先日、大好きな落語家の勉強会に行きました。
その落語家の方は、いつも軽やかに高座に上がって、サラリと爆笑をさらっていく。私は笑いの超人だと思っています。
彼の勉強会の内容は、ここ何年もやっていなかった演目を、もう一度披露するといったものでした。その会で印象的だったのが、「今回やる演目はお客さまの反応を見ながら磨いていくので、今後どう変わっていくのか、楽しみにしてほしい」という、挨拶での一言。それを聞いて、今のコピーの仕事に似ていると感じました。
コピーの場合、見えないけれど、読む人を考えながら言葉を磨きます。
相手を意識して考えるという、この仕事の原点を気づくきっかけになりました。
私が行き詰まっている時は、いつも伝える相手を見失っている時です。そんな時は、「お客さまの反応を見ながら磨いていく」という言葉を思い出すようにしています。
読む人にとって、分かりやすくストレスフリーな文章を書けるように、今日も頭を抱えて奮闘中です。
これからも、日々の仕事の中で学んだことを綴っていければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。