ディレクター/コピーライターとしてカラビナに入社して、早1年。たくさん叱られたり、すこしだけ褒められたりしながら、毎日一生けんめい仕事をしています。今回は、ぼくのカラビナでの目標について書きました
クライアントを「自分のお客さま」にするには。
ディレクターであっても、コピーライターであっても、仕事の目標ってありますよね。それはひとつの仕事を完遂することだったり、自分のつくった作品が世の中に掲出されることだったり。あるいは、賞をとりたい!とか。ぼくも良いコピーを書きたいなという思いはあるのですが、ひとりのビジネスパーソンとして目指していることは、「自分のお客さまと言えるクライアントを持つ」。これがカラビナに入社して以来の、最大の目標です。
そう、たとえば、ぼくの好きなウディ・アレンの映画「ハンナとその姉妹」のセリフ「It’s Lucky I ran into you, maybe」。“きみに会えてよかった”。そんな風に思ってもらえるお客さまに出会うこと。
最近、やっとその思いに近づけた仕事を担当しました。
前作を超え続けなければ、期待には応えられない。
以前、私たちは、ナチュラリープラスさまという健康食品や化粧品を会員向けに販売しているお客さまに、ある商品の発売10周年の動画を納品しました。そのムービーはお客さまにも、会員さまにもとても好評で、売上にもしっかりと貢献。なので、今回あらたな依頼をいただいた際も、お客さまの期待値はとても高いものでした。この仕事でその期待を裏切るようなことをすれば、「自分のお客さま」とはとても言えない。前回のクリエイティブを超えなければ、お客さまの期待を裏切ることになってしまうと、ひとりプレッシャーを感じていました。
そんな中で今回のテーマは、「当社が行っている社会貢献活動をPRし、企業のブランディングに役立てたい」というもの。実際、お客さまは、世界中の子どもたちに教育の機会を提供する団体の活動や、盲導犬の育成を行っている団体に支援をしていたりと、CSR活動に対しても積極的な企業です。
活動自体はとても意義のあるものなのに、十分に知られているとは言えない。そこで、会員さま向けのイベントでムービーを流し、活動をもっと多くの方に知ってもらいたい。そのリクエストをもとに、製作がはじまりました。
ちいさな信頼が、クオリティに直結する。
制作にあたっては、コンテのコピーを頑張って書くのはもちろんですが、クリエイティブ以外の部分でも、チームメンバーがベストなコンディションを保てるよう、いつも以上に心がけていました。今回は支援先団体からの資料提供や許諾申請が多い案件なので、クライアント担当者の方にはあらかじめ必要な資料や、フローを細かく確認し、余裕をもって動いてもらえるように早めにお伝えしました。また、制作チームのデザイン会社の方にも、気持ちよくアイデアを出してもらえるようにと、コピーの提出や資料提供のタイミングをその都度報告しました。
とても小さなことの積み重ねですが、今思うと、そのひとつひとつがチームの信頼につながり、クリエイティブのクオリティに直結したのだと感じます。余計な負荷がかからない分、映像チームには良いアイデアをたくさん出してもらうことができ、映像の質も上がったように思います。クライアント担当者の方も通常より早いスケジュールで作業を進めていただき、スケジュールに余裕をもって制作を進めることができました。そうやって、クライアント・制作チーム一丸となってつくった作品は、結果としてお客さまにたいへん満足してもらえる仕上がりになりましたし、イベント会場でご覧になった会員の方からも良い評判を聞けたと伺っています。
カラビナで制作した「ナチュラリープラス こども基金ムービー」はこちらです。
「自分のお客さま」の仕事を通して、もっと良い未来を。
それでもまだ、完全に「自分のお客さま」と言えるかどうかは、正直わかりません。コピーもクリエイティブディレクターのチェックで何度も書き直しましたし、手際の悪さもあって、デザイン会社の方や、クライアントの担当の方から見て、全面的に信頼できる存在とは言えないかもしれない。それでも、イベント終了後、ご担当者の方から「また次も、ぜひお願いしたいです。」と仰っていただいた時、「自分のお客さま」を担当するという目標に、少しは近づけたんじゃないかなと思いました。
自分のできることを、ひとつひとつ精一杯やって、信頼をすこしずつ得ていく。「自分のお客さま」と言えるクライアントがいて、その目指す未来に、クリエイティブを通してお手伝いをしていく。そうすることで、ぼくは、お客さまや一緒に仕事をする方々、そして世界に対して、何か価値のあるものを提供できるんじゃないかと思っています。
そして、カラビナ自身も、社会にもっと良い未来を提供していきたいと考えている会社です。
そういう場所で、ぼくは、たくさん叱られたり、すこし褒められたりしながら、今日も仕事をしています。