カラビナ式コピーライター養成講座 第2回
CREATIVE / DESIGN
カラビナ式コピーライター養成講座 第2回
2017.07.05
POSTED BY MASAKAZU ICHIKAWA
#コピーライター #ディレクター #講座

宣伝会議賞で眞木準賞を受賞して、コピーの「表現」についてすこしだけ自信がでてきたぼく。けれど、カラビナでの毎日には、新しい方法論の発見がたくさんありました。日々の仕事で学んだコピーの作法を、すこしずつお伝えできればと思います。

コピーを書いているから、コピーが書けないのかも。

ぼくには苦手なことがたくさんあるのですが、その中でも料理がいちばんの苦手です。だから料理なんて今まで数えるくらいしかしたことがありません。それでも、必要な食材を用意して、みじん切りやら千切りやら、時には塩コショウで下ごしらえしたり、準備が必要なことは知っています。

でも、いざ広告コピーのこととなると、準備をすっ飛ばして、「どういう味付けにしよう」とか、「どんなふうに盛り付けよう」。そんなことばかり考えてしまいます。

その結果、プレゼンに通らないコピーになってしまったり、効果が出るコピーを書くことができなくなってしまう。それってひょっとすると、いきなりコピーを書こうとしているから、良いコピーが書けないのかもしれません。コピーを書く前の準備が不足しているのかも。

 

うまい料理のつくり方を知っていることが、たいせつ。

カラビナ社内では隔週でコピーライター/ディレクターを対象にした勉強会を行っています。その中で、ある時テーマに上がってきたのが「どうやったら誰でも良いコピーを書くことができるんだろう」ということです。コピーを書いたことがない人が、最初から良いコピーを書けないのは当たり前のこと。

でも、そこからしっかりと良いコピーライターへと成長していくためには、やはりコピーを書く前の準備がしっかりとできていないといけません。たまたまおいしい料理ができた!じゃなくて、いつでもうまい料理をつくれるようにならなければいけない。その、良いコピーを書くための準備を、誰でも理解できるフレームワークにしようという試みがはじまりました。

コピーにも、フレームワークがあるのです。

良いコピーを書くための準備って、何が必要なんだろう。さまざまな議論を重ねた結果、いちど基本に立ち返って

1.カスタマー
2.クライアント(製品)
3.マーケット(競合他社・製品)

この3つをちゃんと理解することが重要なんじゃないかという結論に至りました。もしあなたのもとに、コピーの制作依頼が舞い込んできたとしますね。お客さまは商品の売り上げを上げたいとか、企業イメージをアップさせたい、あるいは良い人材を採用したいと思っている。そして、あなたもコピーで、目的を達成するお手伝いをしたいと考える。

「よし、良いコピーを考えよう!」…でも、その前に。

その商品や企業が、大きなマーケットの中で、どういうポジションにいて、どんなライバルと戦っているのか。その商品や企業の魅力は、どんなところにあるのか。そして、商品や企業の魅力を、ターゲットは本当にベネフィットと感じてくれるのか。このポイントをしっかりと理解していないと、お客さまの目的を達成するためのコピーを書くことは、とっても難しくなってしまいます。この3つを理解し、コピーを書く準備を行うためのフレームワークを、カラビナ流に再構築しました。

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さあ、どうやってクライアントを勝たせましょう。

このフレームワークには、コピーで「何を言うか」(What to say)を確定させるための大きなフローがあります(pdfの1枚目)。情報を整理し、検証し、調整しながら、コピーの精度を上げるためのツールです。そのコピーで伝える“何か”を発見し、それがターゲットが求めているもので、他社あるいは他社製品と比較しても“勝てる何か”になっているかを確かめながら、本当に伝えるべきことを抽出します。

最初におさえておくべき4つ。

案件が来たら、まずお客さまの名前や媒体、その広告で達成したいことを書き込みます。そして、オリエンや取材などで手に入れた情報をもとに、情報を整理するフェーズに入ります。ここで、4つのワークシートを活用してください。手に入れた情報から、最初にターゲットとなる消費者のペルソナ像が浮かび上がります(pdfの2枚目、3枚目)。

そうしたら次に企業や製品の情報を書いてゆく(pdfの4枚目)。

このシートを埋めていくことで、その企業や商品の持つ「強み」がいくつか現れてくるのです。そして、その企業や商品は今、どのようなマーケットの中にいて、消費者はマーケットをどのように見ているのかが分かるのが、pdfの5枚目です。

ここで注意して欲しいのが、書き込んだ情報が、主観的なものになっていないか、ということです。あなた自身の思いこみや考えが入ってしまうと、とたんにその情報は偏ったものになってしまいますよね。あくまで、事実だけを書き込むことが大切なのです。

材料はそろえた!でもエプロンを巻くその前に。

ワークシートを使うことで、カスタマー・クライアント・マーケットの情報を整理することができました。料理でいうと、スーパーマーケットで必要な食材を買いそろえ、ダイニングテーブルに整然と並べたところです。

じゃあ、次のステップは、お野菜をカットしたり、お肉に下味をつけたり、つまり本格的な準備がはじまります。

けれど、ちょっとその前に。エプロンをひとまず置いて、そろえた食材(情報)をもう一度よく見まわしてみてください。必要なものが、ちゃーんと出そろっているか。足りないものはないか。そもそも、その情報はあなたの思い込みに基づいたものになっていないか。そこまでちゃんと確認が終わったところで、次回のブログでは、情報を検証するワークシートをお伝えします。

Posted by
MASAKAZU ICHIKAWA / DIRECTOR / COPYWRITER
Eコマース企業にてマーケティング・商品開発を経験したのち、ダイレクトマーケティング会社、広告代理店のコピーライターを経て、現職。企業・製品ブランディングからプロモーションまで、幅広い領域のディレクション、コピーライティングを担当。宣伝会議賞で眞木準賞を受賞しました。

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